【歴史教科書】神奈川県・横浜市教育委員会へ要望書提出

6月14日に神奈川県教育委員会及び横浜市教育委員会へ今年度横浜市教育委員会にて実施される教科書採択において、一部の歪曲した史実が掲載されている教科書を使用しないよう求める要望書の提出を行いました。 要望書の内容は下記の通りになります。 望ましい中学校歴史・公民教科書採択を求める要望書

貴教育委員会におかれましては、学校教育の質的向上と私たち韓国人をはじめとする在日外国人子女を含めた国際理解教育の充実に向け、日々ご尽力されておられることに心から敬意を表します。

 私たち在日本大韓民国民団は、日本に居住する韓国人約40万人(日本籍者を含めますとゆうに100万人を超えます)で構成されています。1946年の結成当初から韓日の懸け橋として韓日両国の友好親善に努め、また日本の地域住民の一員として豊かな地域社会づくりに積極的に参与、努力してまいりました。

既にご承知のことと思いますが、私どもの子女の多くが在日4世・5世世代であり、近年、日本籍を有する子は勿論、重国籍の子の比率も高まっております。またそのほとんどが日本の学校で学んでいます。

 このような家族構成は、私たち在日韓国人だけでなく、日本の国際化が進む中、多国籍、多文化の家庭は、今や日本社会でごく身近なものとなっています。

その様な中で昨年行われた神奈川県内の教科書採択では歪曲された記述のある歴史教科書は採択されず、今後も史実に基づいた教科書が使用される事が決定しました。しかしながら、横浜市教育委員会は今年度、特定教科書の検定合格を受け、“今年度に教科書採択を再度行う”ことを表明しました。

 私たちは保護者の立場から、更には韓日の不幸な歴史から私たち自らが体験してきた差別や偏見について日本の教育現場でどう教えられているのかに強い関心を寄せています。

特に第二次世界大戦や植民地支配など韓日両国に関連する部分をはじめ、地方参政権に代表される定住外国人の人権に関する記述について大きな関心を寄せております。

韓国と日本には重く苦しい歴史が存在します。しかしその一方で、それらの歴史を直視しながら、互いを理解し、認め合い、未来志向の韓日関係構築のために歩み始めた時期もありました。

私たち保護者は、日本の教育現場において偏った歴史教育を押し付けることなく、過去の歴史から何を学び、何を考えなければならないのかを、考える教育のあり方と、そのために相応しい教科書の選定を強く求め、次のように要望いたします。

一. 私たちは、戦争を美化し正当化しようとする偏った歴史認識に基づいた教科書ではなく、史実に基づき国際社会の平和と連帯に寄与できる次世代教育のために必要な教科書の採択を強く求めます。

一. 私たちは、日本人子女が自国を大切に思うように、近隣諸国を尊重する情操を培い、近隣諸国をルーツに持つ友人やその国籍を有する友人との友情を育むうえで望ましい教科書の採択と教育指導を要望します。

一. 私たちは、歴史から何を学び、その教訓をどう未来につなげていくのかを学べる学校教育を求め、そのために必要な教科書が何であるか十分ご検討いただき、良識ある教科書の採択を切に望みます。

何卒、未来を担う子どもたちのために、「人権・平和・共生」という大切な価値観を教え伝える教科書の採択をお願い申し上げます。

2021年 6月 14日

在日本大韓民国民団神奈川県地方本部

地方団長 李 順 載

在日本大韓民国民団神奈川県横浜支部

支団長 朴  昌  泳

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